起業は何かの専門知識が無ければできないという事ではありませんが、ある程度起業までの準備期間に知識を持っておいた方が良いと思う内容がありますので、ここではそれを書いて行きます。
資金調達についての知識
事業で一番重要な資金についての情報はあればあるだけ安心感も増えますし、対応できるバリエーションも増えますので設立時に利用できる助成金や補助金、融資が可能な機関などはしっかり調べておいた方が良いと思います。また、資金調達の情報は設立時だけのことだけではなく運転資金の調達方法も早い段階で調べておいた方が安心感が持てるでしょう。
起業時に利用できる補助金・給付金が探せるサイト ミラサポplus
会計や経理の知識
同じお金の事ですが、その事業でどれだけの売上が上がり、売り上げをあげるためにどれだけの費用がかかったのかや、その結果どれくらいのお金が残り、どれだけ借入金が返済できたかという事はしっかり把握しておかなくてはないけません。また、経営を考える場合はその費用が売り上げに比例するものなのか、売り上げに関わらず必要になるものかなどのタイプの違いなども理解できていると良いと思いますので、簡単な簿記の知識は持っておいた方が良いと思います。
大きな会社をするわけではなくとも、会計や経理の知識があると自分の事業の状況を把握しやすくなります。毎月見直してみる事で月別の推移もわかりますし、法人であっても個人事業であっても年に一度は申告をしますから、その時に見直し次年度の目標を立てる時にも収支の目標が立てやすくなります。
少し話は違いますが、節税対策などの知識もあればなお良いと思います。
起業する事業に関わる法律の知識
どんな個人事業であれ、法人であれ、事業をするうえで守らないといけないルールはありますので、事前にそれを知っておくのは円滑に事業を進める材料になります。会社を設立するなら会社法、もし人を雇用する場合は労働基準法、起業したばかりの頃に役立つ支援内容も盛り込まれている、中小企業基本法などは身近なものになるでしょう。
これらは一つ一つ「法律を読んで知識を蓄える」というよりも、「ルールを守って運営する」「ルールを知っておく」という受け止め方で良いと思います。
他に起業する業種によっては、特定の法律についての知識が必要なケースがあります。物品を製造販売したりする場合は、色々と細かな規定もありますので、トラブルにならないよう、業界に関わる法律はしっかり調べたり、専門家の方に相談したうえで始めるようにしましょう。
また、何か不安な要素があり、どこに相談して良いかわからないときは、国が設置している「法テラス」を活用してみてはいかがでしょうか。法テラス・サポートダイヤルでは、電話・メールでの「法制度の紹介」・「適切な相談窓口の紹介」を行っています。
事業を行う場合は、余計なリスクを避けるためにも法律を知る事と、相談できるところを探すことは早めにしておいた方が安心です。
マーケティングの知識
マーケティングとはいろいろなとらえ方があるようですが、お客様が求めているものを知り、つくり、価格を設定し、どのような方法で伝え、購入に結び付けるかを計画する事です。近年は物事の変化のスピードも速くなっていると思いますのでお客様に伝える方法はどんどん変化しているように感じます。
例えば、10年前と現在では有効に告知する手法は全く違っています。従来のチラシやダイレクトメール、Webサイトなどに加えて最近はSNSやアプリ、動画などの告知が加わり多様化してきています。行う事業により有効な告知方法が違いますので、その事業の特性に合ったマーケティングの知識を持つことがうまく事業を進める要素になりまので、事前に基礎的な事知識は身につけておくと良いと思います。
知識も必要だけど心構えが大切
私が知っている起業家たちの中には、上に書いたような事を全く知らずに事業を始めた人たちもたくさんいます。それでも起業する事はできますし、事業を営みながら知識を身につけて行く事の方が多いと思います。
知識はあったほうが良いと思いますが、個人的には起業に関して自分が「どうしたいのか」や「自分で考える力」そして「事業に対する姿勢」の方が大切だと私は思います。そこさえしっかりしていれば、知識を付けながら運営していけば大きな問題にはならないと思いますので、自分の気持ちを固める事をおすすめします。
これらは基礎的な部分だけも知っておいた方が円滑に事業が進みやすいと思いますので、起業準備の際に情報収集をしてみてください。