起業について

サラリーマン・OLが開業届を出す前にすべきこと

サラリーマンやOLの方がいわゆる脱サラをして起業する場合には、開業届を出すと給付金が受給できない場合はあります。また退職前に検討した方が良い事もありますので、起業の準備を進める時期に考えておきましょう。
なお、開業届は出さなければ事業が始められないというものではありませんので、これらを検討してからでも遅くはありません。

失業保険(再就職手当)の受給申請

退職までに雇用保険の被保険者の期間が12カ月以上ある人は、失業保険の受給資格がありますが、失業保険は再就職を目指す人を支援するための制度ですので、起業をしたり起業準備に入ると受給の対象外になります。(変更有。次の項で補足します)
ただし、一定の条件を満たせば再就職手当の支給を受ける事ができます。(雇用保険法施行規則)
貰うかどうか、貰えるかどうかは別として、失業保険・再就職手当は申請をしなければ絶対に貰うことはできませんので、手続きだけでも進めておきましょう。
※起業する場合に再就職手当の支給を受けられるのは、(自主退職の場合は)少なくとも待期期間7日+1か月経過の後に事業を開始した場合に限ります。
申請の期限や、他にも細かな条件がある可能性がありますので、制度についての正確な情報はハローワークで確認してください。

ハローワークインターネットサービス

失業認定申告書
再就職手当支給申請書

起業準備中も失業保険が受給可能に

上記に退職し起業準備に入った場合は一定の条件を満たせば再就職手当が受給できることを書きましたが、2014年7月22日に条件を満たせば受給できるよう変更となり、厚生労働省からハローワークに通達されたとありましたので引用します。

厚生労働省が22日、「求職活動中に創業の準備・検討をする場合」を給付対象にするとの通達を出した。全国544カ所のハローワークが運用を見直すよう周知し、早ければ月末には起業準備中の人も手当をもらえるようになる。
いまは退職して起業を準備する人がハローワークに行っても失業手当の支払いを断られることが多い。「自営を開始または自営の準備に専念する人」は失業手当の給付対象外としているためだ。今後は「事業許可を取った」「事務所を借りる家賃交渉を始めた」といった起業の準備段階なら自営業者とはみなさず、失業手当を払う。
単に起業を準備しているだけではなく、並行して求職活動もすることが給付の条件となる。

日本経済新聞 2014年7月24日 より引用

教育訓練給付講座の受講を検討する

退職して起業する前に、他所で働く場合などは、再就職までの期間に教育訓練給付でを受けて、講座を受講し、知識をという事も出来ます。(対象講座は受講後に申請すれば支払金額の20%が返金されます。)
例えば、簿記の講座を受講して経理の基礎を身につける事や、パソコンソフトの使い方や、Web制作の基礎などを身につけておくことは、仕事をして行くうえで役立つ事も多いとでしょう。

ハローワークインターネットサービス

教育訓練給付金支給申請書

退職前に検討する手続き

健康保険の切り替えについて

退職後の健康保険については、国民健康保険に切り替える、任意継続制度を利用する、家族の扶養に入るの3つから選択することになります。保険の切り替えは速い方が良いので退職前に検討しておく方が良いでしょう。

国民健康保険に切り替える

退職後14日以内に自治体役所の健康保険についての窓口で手続きを行います。
国民健康保険の保険料は、市役所や区役所などの住んでいる地域の役所で教えてもらうことができます。退職前に、時間を作って確認して他の方法と比較してみるとよいでしょう。

社会保険任意継続制度

退職後20日以内に継続する社会健康保険組合の規則に則り手続きを行います。
在職時は会社と被保険者の支払額はおおむね50%ずつでしたが、退職後は全額負担となりますので退職して収入無くなったタイミングには大きく負担に感じると思います。
任意継続は最長2年間継続することができますのでその期間内に法人化する可能性がある場合などは、そのまま継続して自社の社会保険に移行するという事も考えられると思います。

家族の扶養に入る

扶養に入ることができる家族がいる場合には扶養者が加入している社会保健機関にその旨を申請します。扶養の条件とは、被保険者(扶養する側)により生計を維持されていること、扶養される側の年収が130万円未満で、同居の場合は扶養する側の年収の1/2未満であること、3親等以内の親族でなければなりません。それらの条件を満たせば、扶養家族の社会保険料は発生しません。

年金変更手続き

退職後14日以内に国民年金保険への切り替えるか、家族の扶養に入る手続きのどちらかが必要です。
国民年金保険に加入する場合は、、住んでいる自治体の年金窓口で手続きを行います。

個人用クレジットカードを検討する

もし、個人用のクレジットカードを持っていない場合は、在職中に発行することを検討しておいた方が選択できるカードの種類が多いです。事業を始めてすぐ個人事業主として発行できるカードはありますが、ビジネス用とプライベート用のカードを分けて持っておいた方がお金の管理が簡単です。また、最近の会計ソフトではカードの利用データをアップロードして入力が簡単にできるソフトもありますので、ビジネスカードと個人カードは別にすることがおすすめです。

今回の中で再就職手当は開業届を出すと支給されなくなります。せっかくかけてきた雇用保険ですので支給を受けて次のステップに進みましょう。

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