起業について

田舎起業 地方出身者だからわかること

田舎に移住して起業される方も最近は増えているようですが、ネットの情報では机上の空論もあると感じます。今回は田舎出身の私(和歌山県の紀南地方出身)の目線から見た田舎での起業についてを書こうと思います。

都会の方が田舎に移住して起業する時のメリット(事業計画)

まず、都会の方と元々住んでいる地方の方の大きな違いは魅力と感じるものが違うという事です。
私の出身地では海も山も近いので海産物や農産物に魅力があると思いますし、林業からも何かを生み出せる魅力があると感じます。私は必ず帰省した時には鮮魚(主に鰹)を食しますが、現地の人たちは毎日普通に食べられるのでその魅力に気付いていないようです。また、大阪の友人が海水浴に来た際も、母は「わざわざお金を払うて海へ来るんやのぉ」と言っていましたので、自然の魅力とそれを求める行動にも、いまひとつピンときていないようでした。
このことから考えても、都会から移住をして起業される方の、外から見た目線は、新しいビジネスを作り出すためには大きな武器になると思います。

都会の方が田舎に移住して起業する時のメリット(補助金)

地方によっては移住して起業される方に補助金などの交付金が支給される場合があります。私の出身地でも条件を満たせば1人60万円が交付されます。どのような交付金が該当するかは地方によって様々ですので、移住先の自治体のホームページをまずは確認されることをおすすめします。

田舎で起業する際の生活費について

田舎に移住するとコストが安くなると書かれていたサイトがありましたが、そうとも言えない場合もあります。確かに家賃は安くなる傾向にあるとは思いますが、全てにおいてはどこからどこに移住するかによって変わります。
例えば、水道代であっても、電気代であっても地方の方が高い場合もあります。また、食費に関しても安くなるとは限りません。
私は現在大阪に住んでいますので、食費に関しては大阪に住んだ方が安くなる可能性が高いと思います。その理由としては田舎では人口が少ない分競争も少ないため、価格競争になりにくい傾向にあり、競争の激しい大阪の方が安売りが多いためです。
また、交通費についても、電車代はかからなくても、その分ガソリン代がかかります。生活する中で移動する距離も田舎とひとくくりにして考えられるものではありません。
実際の生活費については、住む場所によってずいぶん変わりますので、事前に費用を試算したい場合は、移住を決める前に一度はお試しで生活をしてみる方が良いと思います。

田舎で起業するのに適したビジネスについて

これについてもその土地その土地によってちがいます。
ライバルが少ない事がメリットと書かれているサイトがありました。確かにライバルは少なく、価格競争には巻き込まれにくいです。
ただし、その分人口が少ないのですから、成り立つ数も少なく、メリットと言えるかどうかは疑問です。
またフランチャイズがよいと書かれていたサイトもありましたが、これについても人口が少ないのですから、成り立つ数も少なく、薄利多売の飲食業のようなビジネスモデルは、当然の事ですが成り立ちません。
それが原因かどうかはわかりませんが、私の田舎では市街地であっても、いまだにモスバーガーはあってもマクドナルドはありません。
やはりきちんとマーケティングをして、その土地その土地の特性を生かしたビジネスで起業される方が良いと思います。

もう一つの考え方として、通信環境が整っている場所で住まわれる場合は、ネットを利用した仕事であればできると思います。昨年からのコロナ過でリモートワーク・テレワークの環境が急速に整ったと思います。そのようなお仕事であれば田舎で起業する事も可能だと思います。
また、移住して農業で起業されることも増えているようですので、田舎で起業する方法としては多い選択肢だと思います。就農される場合は国の支援事業もあるようですので、そちらを利用すれば起業のメリットになるでしょう。

田舎での生活について

これはあくまで自分の出身地だけの事だけですが、もし移住する方が来られて起業されるなら、ご近所の方がいろいろと教えてくれたり助けてくれたりしてくれると思います。
私の田舎は閉鎖的ではない土地柄ですし、ゆっくりと時間が流れていますので、人々に関わっていけば自然に受け入れられると思います。
私の生家周辺では過疎化が進み、今はおじいちゃん、おばあちゃんしか住んでいないと、ご近所の方は話していました。私が子供のころ買い物をしていた商店街は、店主の高齢化と過疎化による閉店でシャッター街の様相となっています。今も住むご近所の方は過疎化してさみしいとも話していましたから、移住してこられたら大歓迎なのではないでしょうか。
過疎化している地方では同じような思いをされている方々も多いのではないかと思います。

農林水産省運営 起業支援プラットフォーム

INACOME

農林水産省運営が運営する会員登録制の起業支援プラットフォームサイト。
起業プランコンテストや、農山漁村と起業家のマッチングが行われており、活動レポートもアップされています。

地方出身者として田舎での起業について私なりの視点で書いてみました。田舎と言っても様々ですので、自分が魅力に思う田舎を探し、調べる事が起業への第一歩になると思います。自分が自分らしく過ごせる場所をぜひ探してみてください。

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