起業のアイデアを考え事業を組み立てる以外に起業をする方法として、M&A(事業の合併や買収)があります。事業を買い取ると聞けばたいそうな話のように感じますが、M&Aは大きなものから小さなものまでありますので、条件が合えば起業する一つの手段になります。今回はその事について書いて行きます。
後継者を探している事業主はたくさんある
中小企業の経営者やお店の事業主で後継者不足に悩んでいる方が多いのは事実です。事実として、私自身も次にバトンを渡す人材を数年間探していました。経営者が身を引く手段としては、その事業をやめるか、次の経営者を見つけるしかありません。自分がそこまでやってきた事業を、誰かに引き継いでほしいと思うのは、自然な事だと思います。私もそのうちの一人でした。そのような事業を買い取るというのは、起業する有望な選択肢になるのではないでしょうか?
M&Aを利用して起業するメリットとは
既ににできているビジネスを引き継ぐことができることが大きなメリットでしょう。新規の起業であれば売上はゼロから始まりますが、事業を買い取った場合は、スタートの段階から売上や利益がある程度見込めます。既存のお客様やサービスを引き継ぐことができるため、そこからどう拡大するのか、どう改善するのかを考える事になります。土台はでき上っていますので、そこまでの苦労はすることなく、次のステップに進める事ができます。
また、既に事業の実績があるという事は、新しく販路を広げる場合でも広げやすいですし、融資が受けやすいというメリットもあります。
M&Aを利用して起業する場合の注意点
事業を引き継ぐ際には従業員も引き継ぐことになりますが、経営者が変わることで退職者が出る恐れがあります。小さな事業所の場合は、経営者と従業員の関係が親密な事も多いですから、経営者がかわる事でその人たちの士気が下がる可能性があります。そして悪くすれば、経営者が変わる時点で少なからず退職者が出る可能性もあります。
また、売却される事業には業績が思わしくな場合や、今後の見通しが良くない事もありますので、その部分を気を付けて見極めをする必要があります。そのうえで買収した場合には、自分の力で業績を回復させたり、戦略を考えて切り抜けていく必要があります。
そのような会社やお店はどこで探せるのか
最近はM&Aを仲介するサイトやプロの仲介業者もあるようです。また、商工会議所がマッチングをしている場合もあります。いわゆる「会社」の売買は、トラブル回避のためにもプロに仲介をしてもらう方が良いでしょう。
個人店の多い業界であれば、もしその業界で働いている場合は、業界の中の情報を探していれば、人づてに情報が入る可能性もあります。私がいた業界は店舗を営む人たちが多い業界でしたので、人づてに話が来て買取り独立するという事例がいくつもありました。その場合は直接の話し合いになることが、ほとんどではないでしょうか
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会社やお店以外でもあるM&A
最近はインターネットで日々調べ物をしていますが、インターネットサイトの売買が行われており、サイト売買の専門会社がたくさんありました。サイトも大きな収益が見込めるものは数千万円で取引をされているようでした。サイト売買には数十万円の少額のものもありましたので、条件が合えば買取り、その時点から収益サイトを運営するというのも起業の一つの方法かもしれません。
今回はM&Aを利用しての起業について書きました。会社の売買と言えば身近に感じられないかもしれませんが、小さな事業であれば起業の際にかかる資金で買い取れるものもあります。もし条件が合うものが見つかれば、起業の一つの選択肢となるのではないでしょうか?