私自身が前職から転身をしたのは50歳を過ぎてからです。最近このブログの参考資料として起業する人についてのデータを調べたところ、起業者の平均年齢は年々上がっているようでした。同年代の方々が初めて起業する事も増えているようですので中年以降の起業についてここでは書いて行こうと思います。
統計調査・アンケートから見えてくるシニア起業の実態
少し古い情報になりますが、中小企業庁による2016年の「起業・創業に対する意識、経験に関するアンケート調査」によれば、50歳以上の起業希望者・起業準備者は全体の38.4%を占め、年々増加傾向にあるようです。また別の調査では「3年以内に実現したい」と具体的考えている比率も他の年代よりも高いことから、今後も中高年層の起業は増加していくでしょう。
中小企業白書 2017 より引用 |
60歳以上の方の起業に関心を持ったきっかけの1位は「時間的な余裕ができた」という理由で、他年代の1位である「周囲の起業家・経営者の影響」という理由の比率は男女ともに3位となっていますので、子供も落ち着き、仕事も定年を迎えることから、自分自身のセカンドライフを見据えての起業だろうと推察できます。
最近ではシニア層がそのように無理をせず低いリスクで起業することが「ゆる起業」と呼ばれているようです。
年代により起業に求めるものやスタンスは違う
最近はこのブログの参考にといろいろな起業家について書かれたサイトを読むことも増えましたが、やはり年代によって起業についての考え方は違うということをよく感じます。30代ぐらいの方などは「起業をしてどれぐらい会社を大きくするか」「どれぐらい大きく稼ぐか」の話題が多いですが、株式会社freeeによるアンケート調査の結果※では、シニア世代が起業に関心をもった理由の中に他の年代にはない「退職後年金以外の収入も得たいから」や、「年齢や性別に関係なく仕事がしたかったから」、「定年後に社会とのつながりが欲しいから」などの回答も高い確率である事から、定年後のセカンドライフの充実を考えての起業をされる方が多いようです。
私自身も同様の思いで50代以降の自分のライフスタイルを考えて仕事のスタイルを変えましたので、年齢なりの考え方だったようです。
参考:freee株式会社:「起業」に関するアンケート調査 (2019-09-11 配信)
■調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:20~69歳の男女 900名 ※一部、調査対象者は6683名
集計期間:2019年8月30日~9月2日
シニアの起業は経験を生かしての起業が多い
前述のfreeeの調査によると、シニアで起業される方の多い業種は「小売業」と「コンサルタント業」が同率の1位でした。また「教育・学習支援」なども上位にありましたので、やはり今までの経験を生かしての起業が多いようです。自分自身の現在を振り返ってみても、今やっていることは、前職の取引先から仕入れてネット販売をする小売業と、コンサルタント業とは少し違いますが、「これから起業する人に向けて、今までの経営経験からの言葉を伝ていく事」ですので、全くアンケートの結果に当てはまった形の起業をしていることになります。
もし、今起業をお考えのシニアの皆さんが、まだ何をするかが決まっていなければ、自分自身の経験を掘り起こしてみる事で、自分らしい起業のカタチが見えてくるかもしれません。
シニア世代は起業の条件が整えやすい
起業にはもともと国や他の機関が実施している助成金や補助金制度を利用できる事が多いですが、シニア起業に対しての助成金制度が近年は増えているようです。資金調達は起業者にとって大きな課題ですから、支援を受けやすいというのは大きな強みとなるはずです。また、シニア年代ともなれば子供達は既に独立している方が多いしょうし、年金を受給しているようであれば生活のベースはある程度確保できて、時間も自由がききやすい状況にあると思いますので、起業するには良い条件が揃っていると言えるのではないでしょうか?
セカンドライフをより良いものにできるよう起業を考えている皆さんもたくさんおられるようです。若者のような高い熱量ではないかもしれませんが、これからも自分らしく社会と関わるビジネスをぜひ考えてみてください。