資金調達は起業をするものにとって大きな課題です。開業時の自己資金はしっかり準備してから起業することをおすすめしますが、自己資金が無ければ起業できないかと言えばそんな事はありません。ここでは自己資金なしで起業する方法について考えてみようと思います。
まずは副業から始める
起業する事は専業でその事業を行うとは限りません。起業はあくまで事業を起こすことですので、他の仕事で生計を立てつつ副業として起業し、かかる経費も本業の収益又は給与から捻出し、副業で得る収益を増やしていくという方法が考えられるでしょう。
サラリーマンの方の週末起業やプチ起業と呼ばれるものが、わかりやすいスタイルでしょう。
借入をする
事業資金の公庫からの借り入れはその事業者の実績をもとに審査し、借り入れをすることになりますが、実績のない創業時であっても借り入れをすることはできます。その場合でも審査の基準として自己資金は重要な要素のひとつですが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要になります。創業計画、その人のこれまでの仕事の実績や持っている専門技術などを総合的に審査し、回収に見込みが立つと判断されれば、借入をすることが可能です。
他には、あなたという人物を理解している身内などから借入する事も一つの選択です。(ただし、安直に借入をする事は運営にあとあと響きますから個人的にはあまりお勧めはしません。また、身近な人からの借り入れはその後の人間関係にも響きますので甘えは禁物ですし、要注意です。)なお、少し古い情報ですが、「2013年度新規開業実態調査」(日本政策金融公庫 総合研究所調べ)では創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で3割程度となっています。
日本政策金融公庫 創業計画Q&A より引用 |
クラウドファンディングを利用する
現在ネインターネットを介して行われている日本でのクラウドファンディングは、2010年ごろ始まり世の中にも少しずつ浸透してきていると個人的には感じています。ご存じない方もおられるかもしれませんので少し説明しますと、クラウドファンディングとは、発案者が例えば「こういうサービスをつくりたい」と発信し、その発信に対して共感する支援者が少しずつ支援して実現するといったしくみを言います。ただこの場合でも起案された内容がたくさんの方に支援されるような内容でなければ資金の調達は難しいくなると言えるでしょう。
手持ちの資産を資金に変える
これはわかりやすい方法ですね。自分の持っている不用品などを売って現金化をして自己資金に充てる方法です。例えば自家用車や高級時計、貴金属などは売れば多少のお金を作る事はできるでしょう。
クレジットカートの範囲内で資金を回収する
起業するまでに支払いを遅延させるような履歴がなければクレジットカードはつくれると思いますので、その限度額内で資金を回すことができれば、事業を進めることはできると思います。
少し余談になりますが、もし自己資金がゼロでない場合であっても現金払いではなくカード決済することで資金の流れがよくなりますし、思ってもない事態が起こった時に対応する事も出来ますので、起業時にビジネス用のカードは持った方が良いと思います。
(ビジネスカードを持つことの利点は他にもありますので、これにつきましてはまた別の機会に一つの記事としてまとめます。)
資金ゼロでもできる職種で起業する
クラウドソーシングサイトの中では資金ゼロでもできるような仕事も掲載されていますので、それらの中でできることを探すのも一つの方法でしょう。
考え方としては、設備投資や仕入を伴わない、サービスを提供するような仕事であれば、始められると思いますし、もし仕入が必要であっても出金したその日のうちに回収ができるような形を作ることができれば、成り立たせることはできると思います。
自己資金が無い場合は起業する方法が絞られてしまいますので、やはりある程度の自己資金は準備をしておいた方が良いでしょう。ただ、自己資金なしでもやり方次第で起業する事は可能ですので、ご自身のやりたいことと、できること、世のニーズをふまえた自分らしいビジネスの形を考えてみましょう。